―レオナルドダヴィンチの「モナリザ」と並ぶ世界一有名な浮世絵―

日本人ならおそらく誰しも見たことがある浮世絵ですね。
過去にはパスポートに、最近では千円の新札の裏側に印刷されていますね。

ところで、いつ、誰が描いたかご存知ですか？
描いたのは、江戸後期に活躍した鬼才葛飾北斎です。
驚くべきことに御年七十一歳の時の作品であります。
「神奈川沖浪裏」（富嶽三十六景所在）

余談ですが、奇しくも私と同い年であります。
それはともかく、高齢化の時代にあって、その創作意欲、想像力の豊かさ、鬼気せまる創作活動ぶりといえ、
まさに畏敬の念を抱かずにはおれません。

なぜこんなにも有名なんでしょうか、
それは、米LIFE誌のミレニアム特集号「この1000年で最も重要なできごとと人物・100選」の中で、
唯一選ばれた日本人であるからです。

なぜ北斎だけが選ばれたのか、
それは印象派の画家たちに多大なる影響を与えたからだと思います。（ジャポニスム）

また、絵手本である「北斎漫画」についても同様にヨーロッパの人々に評価されています。
若い世代の人達には、「イラストレーター北斎」として人気があるのかもしれません。

最後に紹介するのが、北斎が九十歳で死を迎えたとき
「死の直前大きく息をして、あと十年、いや五年生かしてくれたら、本当の絵師になれるのに」
と言ったそうです。凄いとしか言いようがありません。

（飯島虚心著「葛飾北斎伝」より）